上海視察。その3

こんにちは。上泉です。

上海視察レポート、3回目は、主に上海ローカルのシェアオフィス事情について、簡単にまとめようと思います。

昨年Web Designing(2011年8月号)の取材でも弊社松村が訪問したのですが、今回も「新単位」「Anken WareHouse」の2つにお邪魔してきました。

———- 新単位[xindanwei](http://xindanwei.com/

日本でもコワーキングスペース、シェアオフィスなどがここのところ各地でできていますが、上海も同じです。
基本的に古い建物をリノベーションしてシェアオフィスとして使っているパターンが多いようです。

新単位は6階建ての細長いビルをまるごとリノベーションして、1Fがコーヒーを頼めば誰でもカウンターで作業ができるオープンスペース、2Fより上がコワーキングスペースとして使える机貸しのスペース&会議室、という構成になっています。

1Fのオープンスペース。電源やWi-Fiもあるので、快適に作業ができます。

黒板には、ドリンクのメニューと一緒に、スペース貸しの料金も書いてありました。
1ヶ月毎の契約で2,350元/月/1名、1年契約で2,100元/月/1名です。

上の階では、制作会社?の皆さんが、ガリガリ仕事をしています。

Web系に限らず、映像やデザインなどの個人/法人が入っているそうです。

最近の上海では、外資/国内問わず、クリエイティブ系のスタートアップ企業がかなり増えてきていて、このようなオフィスシェアリングやオフィス利用としてのスペース貸しはとても需要があるようです。

新単位でも、この場所とは別に、新しい施設を複数建設しているということでしたので、そちらもお邪魔することにしました。

その1。こちらはシェアというよりはある程度の規模の企業が入ることを想定したスペース貸しの施設のようです。


その2。こちらはかなり大きいスペースで、5〜10数名ぐらいの規模がちょうどよさそうなオフィスがいくつもあります。
レストランやイベントスペースもできるそうです。

ちなみに現在建設中のこの2箇所のスペースはこの1〜2ヶ月後ぐらいでもう稼働する予定だそうです。

新単位はこのような施設面でのサービスの提供とともに、クリエイター向けのイベントのオーガナイズもしており、クリエイターの横のつながりもかなり意識して運営しているな、と感じました。

———- Anken Warehouse(http://www.ankenwarehouse.com/

Warehouseという単語から推測できるように、ここはもともと倉庫だった建物をリノベーションして作られています。上の写真のANKEN GREENという建物は、かなり大きく、数多くの企業が入居しています。

1Fがコワーキングスペース、上の階がオフィススペース貸し、という構成です。

1Fの机貸しスペース。かなり広く、多くの方が利用しているようです。

共有スペースもおしゃれです。

上の階はこのように部屋で仕切られ、企業が入っています。

屋上にはイベントスペースもあります。

Ankenの方は新単位と比べると、外資系企業の割合が多いように感じました。
また、新単位同様、Ankenも上海市内に複数の物件を所有しており、数も増えているとのことでした。

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大西のレポートにあった751文化研究所さんもそうですが、上海でのオフィスシェアリング、コワーキングスペースの活用は、当初私が想像した以上に進んでいるな、という印象を強く受けました。

このような環境が整備されているということは、これから中国で何かしらビジネスを始めたいという企業にとっては、初期コストを押さえたり、現地情報を得るという面で非常にメリットがあると思います(新単位&Anken共に必要であれば、スタッフがビジネスの相談にも乗ってくれます)。

中国進出を考える企業や個人は、このようなところを積極的に利用していくのもひとつの手かな、と思います。

また、上海ではちょっとした起業ブームが起こっているようで、新単位ではそういったスタートアップの起業家たちを支援するために、プレゼンテーションとビジネスマッチングを行うようなイベントも開催しているそうです。

この動きが一過性のものなのかどうか、ということまではよくわかりませんが、少なくとも想像以上のダイナミックさで中国は進化/変化しているし、日本はうかうかしていられない!!ということをまざまざと感じた今回の視察でした。